皮膚のへこみ・ひきつれ
乳がんが皮膚の近くに位置する場合、皮膚が引っ張られ、くぼみやひきつれが形成されることがあります。しかし、「くぼみやひきつれがある」=「乳がん」とは言い切れません。
乳房にくぼみやひきつれが認められる場合には、病院を受診することをお勧めします。
このような症状はありませんか?
- 乳房の皮膚がえくぼ状にへこんでいる
- 乳房の皮膚がすじ状にひきつれている
- 乳房にしこりがある
- 乳房の皮膚にくぼみやひきつれを伴う

皮膚のへこみ・ひきつれは乳がん?
乳房の皮膚にへこみやひきつれが見られる場合、乳がんの可能性も考えられます。
皮膚の変化がすべて乳がんによるものとは限りません。乳腺症や炎症などの良性の病気でも、皮膚のひきつれが見られることがあります。自己判断せず、気になる症状がある場合は、早めに病院を受診することが大切です。
皮膚のへこみ・ひきつれが起こる乳がん以外の病気
乳房の皮膚にへこみやひきつれが見られると、乳がんを疑う方が多いかもしれません。しかし、こうした症状は乳がん以外の病気でも起こることがあります。ここでは、皮膚のへこみやひきつれの原因となる乳がん以外の代表的な疾患についてご紹介します。
乳腺症
線維腺腫
乳腺炎・乳腺膿瘍
外傷や手術後の瘢痕
過去に乳房を強くぶつけたり、手術を受けたことがある場合、皮膚や内部の組織に瘢痕(はんこん:傷あとのようなもの)が残ることがあります。瘢痕の影響で乳房の皮膚がひきつれたり、局所的にへこみが生じることがあります。
放射線治療後の変化
過去に乳房の放射線治療を受けた方は、治療による線維化(硬化)が進み、皮膚のひきつれが起こることがあります。特に乳がん治療後の方は、経過観察を続けながら、皮膚の変化を注意深くチェックすることが大切です。
モンドール病
「モンドール病」は、30~60代の女性に多く見られ、胸から腹部、または脇から腕にかけて3~10 mm幅のスジ状のしこりが出現する病気で、皮膚の下の静脈やリンパ管が硬くなる静脈炎の一種です。激しい運動や締め付けの強い服・下着の着用などで、局所的に血液やリンパの流れが悪くなり、うっ血して発症すると考えられています。ほとんどの方が自然治癒します。